はぴねすくるー

恋愛も、家族も、仕事も。全部楽しみたい人の為の欲張りな生き方推進委員会。

三月ウサギの心中は君ばかり。

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君は見ていただろうか。

夜と呼ぶには少し明るすぎるほどの満月の空を。

 

明るく輝く綺麗な黄色いまんまるの月を見ながら、僕が1人、思いを馳せたのは紛れもなく君だった。

 

 

新月

君と出会った日のことを僕はほとんど覚えていない。

もしかしたら君もそうなのかもしれないけれども。

 

とにかくアルコールという魔法にお互いかかっていて冷静な判断能力には欠けていたんだと思う。

けれどきっと僕にとってはそのくらいの理性が欠落している状態が丁度よかったのかもしれない。

 

僕はその頃、異性に対する不信感に溢れていた。

僕に異性的な感情の好意を示す人間に対して、嫌悪感を抱き、吐き気を引き起こすほどだった。

それは過去のトラウマが影響していたのかもしれない。

潜在的に刻み込まれたそのイメージが全ての異性に重なり、フラッシュバックするその時間は本当に苦しく、その全てを忘れ去る日までは誰とも深く関わらず仮面をつけて生きていこうと決意していたのだ。

 

 

あの日の記憶は朧気だが、僕は1つだけはっきりと覚えていることがある。

君の僕を見る優しい視線に対する僕の感情だ。

嫌悪感など微塵も湧かなかった。

ひさびさに心が踊るのを感じた。

純粋に君の視線に、君の温もりに、嬉しく安心感すら覚えたのだ。

 

 

それは理性で考え判断したというよりも、僕の奥底に眠る意識が気づけば目を覚まし、ひたすらに君を求めているようだった。

今までの異性への猜疑心や嫌悪感は君に出会うために存在したのではないかと錯覚するほどに、それは何故か確信的で強大なものだった。

 

 

僕が覚えているのはたったそれだけ。

けれどそれだけで充分だった。

 

 

 

三日月

君は僕のことをもっと知りたいと言った。

こんな僕を素敵だと何度も口にした。

君の言葉は僕が受け取るには何だかもったいないような気もしていたが、君の口からそんな言葉が出ることが嬉しくて、僕は照れ隠しの笑顔にそのこぼれてしまいそうな喜びを隠すのに必死だった。

 

言われる度に誰の言葉より君からの賞賛が最も僕を幸せにするのかもしれないという思いが強くなっていった。

 

気づけば強がりで見栄っ張りで体裁を必死で保つ自分はどこかにいなくなっていて、君の前では自然と素直になっている自分を後から見つけて自分自身が1番驚いた。

 

 

もう顕在意識なんてものはがらくたにでもなってしまっているのかもしれない。

いつもは容易く作れたその場に合わせた仮面も、本音を隠す言葉も、君を前にすると気づけば無意味に作るのをやめていた。

心の中の感情や言葉が脳のフィルターを通すことなく体の外に流れ出していて、何だか少しだけ小っ恥ずかしい気持ちになった。

けれど同時に嬉しかった。

 

 

上弦の月

たしかに君と過ごした時間はまだ短い。

僕自身は何だか君と出会ってもう長い期間が経過しているような体感があるが、それはここ1年ほど僕の流れる時間の体感速度が一般の人のそれの3倍ほど遅いことが原因であろう。

 

だから現時点でこんなことを言うと、突発的だと思われてしまうのかもしれないけれど。

普通の人はこの速度でこんな想いを抱えることはないのかもしれないけれど。

 

 

僕はどうやら君に心底惚れてしまっているようだ。

 

 

この気持ちに対しての、どこにとか何でとかそんな問いは僕にとっては本当にこれっぽっちも価値がないものである。

 

これは僕の本能が出した答えなのだから。

 

もちろん理屈なんてものは後からなんとでもつけることができる。

それっぽい周りが納得するような理由だってたくさん並べることはできるのだ。

それも全てが僕が君に惚れている理由であることに変わりはないのだけれども、そんなありきたりな言葉で君への想いを表現したくないのだ。

 

ただ、僕のすべてが君だと声をあげている。

 

僕は全面的にその内なる声を信じることにしたのだ。

それがいいとか悪いとかなんと言われたって今の僕には分からない。

これが僕の1番後悔しない選択だと思うから、それだけを信じることにしたのだ。

 

例えその結果によってこの世の終わりほど傷ついたとしても、それでもいいと思った。ただ、この本能のまま、君の側にいたいと思った。

 

 

十三夜の夜

この想いを恋と呼ぶのか、愛と呼ぶのか、そんな定義は僕には分からない。

そんな言葉すら何だか簡易的で質素な表現に今は聞こえてしまう。

 

ただ、僕が唯一もう確信していることがある。

 

もし君を愛せなくなって、君に異性としての魅力を感じなくなってしまった日にも、僕はきっと迷わないだろう。

 

それは君の味方でいるということだ。

 

 

どんなことがあろうと、僕は、僕だけは、君の味方でいたいのだ。

言葉を生業としながらも、不器用で上手く話し言葉で伝えれない僕でも、このことだけは君にどうしても伝えたかったのだ。

 

僕はこれからの生涯、君がどんな状況に陥ろうとも、君の味方でいる自信だけはあるのだ。

 

こんな未来のことを語るには、きっと根拠のある過去からの事例だけでは足りないだろう。

だから君にも、他の誰にも、もしかしたら信用してもらえないかもしれない。

 

けれど。それでも。

僕はその自信だけはあるのだ。

これだけの短い期間であっても、それだけは何故か確信しているのだ。

 

できれば理由は聞かずにいてほしい。

もう以前に話しているから。

 

 

十四日月

僕の未来がどうなるかなんてきっと誰にも分からない。

僕にだって検討がつかない範疇だ。

 

けれども僕はこの未来に期待を抱いている。

叶わなくとも、それでも、僕は期待を抱かずにいられないのだ。

もし儚く散る恋だとしても、僕は君のことを忘れないだろう。

この先、叶わなかった想いとして胸に留めておくことだろう。

 

だけど、願わくばこの想いが君に届くことを祈る。

 

 

奇跡が起こるとするならば、お願いだから今度こそはあの綺麗な黄色い月を隣に並んで同じ視点で見ていたい。

 

 

 

それまでは、君を照らす月であろうと思う。

優しい月明かりで、君を優しく包もう。

 

それがこんな我儘で傍若無人な僕にできるかは定かではないけれども。

それでもそうありたいと思う。

君にとって支えに、君が頑張る糧に、僕はなりたいのだ。心から。

 

 

その想いが君に届けと。

同時に届かなけれどいいなと。

三月ウサギは曇り空を見上げ、1人想うばかりであった。